運送の運賃は安い?高い?妥当?

運送の運賃は安い?高い?妥当?

どちらでしょうか?言わずもがな安いだろ!と聞こえてきそうですし、この業界の人間なら誰でも分かっている事だと勝手に思っています。

まず(今の運賃は安い)という気持ちを覚えておいてください。


去年、国交省から標準的な運賃の告示がされました。

運転手の労働条件の悪化、法令順守、持続可能な物流社会を踏まえてその改善を図るためのものだそうです。

が、標準的な運賃ってなに?ってことです。

○○的な~、○○のような~、○○らしい~と、非常に曖昧な表現で、直接発してはおらず、「遠回しに言っている」「ぼかしを入れて発言している」ように聞こえました。

「国交省ではこの運賃が適正だと思うし、このくらいが相場らしいよ?だけど運送会社と荷主企業との取り決めで決まる事だから参考程度にして自由に決めてね!」

というのが私の解釈です。

標準的じゃなく、これが標準だ!と言ってくれたらまだ良かったのに。。。でも、

国交省とはそれが精一杯だったのかなぁ?と思いました。精鋭ぞろいのチームで考えて考えて出した答えですし、私にはそれすら考えもつかなかったことですから。

それに今までこんなことは無かったですし、一つずつ前に進んでいるので私は凄く評価しています。

この標準的運賃をトラック協会で見ることができますが、この運賃を貰える会社は現在あるのでしょうか?たぶんこれ以上貰っている運送会社がどこかにあるかもしれませんが、ほとんどがこれ以下だと思います。


私は以前のお話で、運送会社は運賃を下げたのが最大の敗因と書いたことがありますが、物流二法による運送の規制緩和以降、運送会社は増え続け需給が悪化しましたよね。

サービスや輸送品質、他社との差別化等をせずに運賃だけを下げて仕事の取り合いになってしまい、業界全体で運賃は下がり続け、それにともないドライバーのお給料も下がり続けたわけです。

さらに今は付加価値と言って、付随作業をさせられてたりします。(私もしましたがこの話はいずれ)

一度下げた運賃を上げることは困難です、「だって今までそれでやってきたでしょ?だったら今まで通りやってよ?」と言われるのがオチです。逆に運賃下げて貰おうとしてたかもしれません。


ただこのまま続けていては業界全体が全く改善されることはないので、国交省が標準的な運賃の告示をだしたことで良い方向に向くかもしれません。標準的な運賃は現状だと「高すぎだろ?」「荷主に提案できない」と思われるかもしれませんが、現状で標準的な運賃を貰っていたらどうですか?「今の運賃は安すぎだろ?」と思いませんか?視点を変えるだけで感覚も変わるんです、「今までは安かった、元に戻ろう!」という会社が増えたら今の環境を変えていけると思っています。

全国の運送会社全部が標準的な運賃を当たり前のように思えば、労働環境の改善、人手不足、法令順守、教育、投資等品質重視の業界になるかもしれません、ただどうしても売上至上主義の会社があるかもしれません。そういう会社はこの社会から淘汰されるようにしなくてはならないです。

ここまで読んで「そんなの出来る訳がない、理想論に過ぎない、仕事を切られる!ナンセンスだ」と感じる人もいると思います。ですが会社が持続するための戦略は、現状を把握してから自社がこうなりたいという理想の姿になるためのもの。

理想も掲げず、何もしないのなら何も出来ないし進まない。変化を望まず現状に満足し胡坐をかいているのなら何も変わらないです。この業界全体が今のままで良いと思うならそれで良いのかもしれません。

国交省が告示した運賃は期限付きの告示です、この期限内に標準的運賃で経営していく旨を運輸局に届け出を出す必要があります。現状を維持しながらこれからは標準的な運賃でやっていくと沢山の運送会社が運輸局に届け出を出せば、国交省もさらに動いてくれるのではないでしょうか?

届け出が少なければ国交省は「現状で満足してるのかな?なら法改正とか要らないよね?当事者は改善する気が無さそうなのでこの話は無かったことに」となるかもしれません。そうなればいつまでたってもブラック業界から抜け出せません。

もしかしたら運賃の告示は、標準的運賃から標準運賃を厳守する!に法改正ができるかもしれません、そうなったら理想ですね。

ただしこれだと荷主企業にとって何のメリットもありません、猛反発されます。資本主義である日本の自由な経済活動を阻害するのでは?と言われそうです。が、行き過ぎた割安の運賃を適正に戻して持続可能な物流社会にしようという試みです。

悪い言い方をすれば、運送会社が自分たちで締め続けた首を、国交省が代わりに緩めてあげよう、尻ぬぐいしてあげよう、と言っているのかな?と感じています。

ただし!!!そのために運送会社が荷主企業にできることはなんなのか?考える必要があります。

例えば ①当社のドライバーは全員無事故無違反でゴールド免許所有者のみです!となれば輸送品質で他社と差別化できます。だってゴールド免許は5年間無事故無違反なわけですから当然輸送品質は高まりますよね。

また ②ドライバー全員にビジネスマナー講座を受けさせています! ③小集団活動をして顧客に対しての満足度への試み、更なる輸送品質の改善の取り組み等やってます!とかなら顧客も少しは納得してくれるかもしれませんね?一番良いのは自社の強みを出すことですけれど、まだまだ色々と案は出て来そうですね。

どんどん運輸局に標準的な運賃の届け出を出して、今は無理でも5年後10年後には今を打破する気概を持っていただけたらなと思っています。

☆現在の姿からあるべき姿へ☆

それには社長さんが動くしかないんですけれども。

☆お詫び☆

偉そうな文言を垂れ流してしまいましたが、私自身もこの業界が良くなって欲しいと思う一人です。