荷主企業から指名される運送会社になろう

人材不足と言うけれど(2)

人材

前回の続きです。

前回就職や転職に運送業はおすすめしません、と書きました。この気持ちは今の時点で変わりません。では人材不足の改善はどうしたら良いのか?運送業をおすすめするにはどうしたらよいか?それを個人的な意見ですが書いてみようと思います。否定してても仕方が無いですしね。

労働環境の改善:これは長時間労働や休日の少なさがあります、私、今まで完全週休2日って取ったことありません。拘束時間も半日は当たり前、昔は数週間休みなしだった事もあります。今はそんなことありませんが、荷主や元請けの急な対応で事務所もドライバーも大変な状況になったり、作業中にミスを誘発したり健康被害になっていたりと、これでは誰もやりません。勤務時間帯も無茶苦茶で早朝、深夜、昼間、何でもござれ。運送会社は荷主やお客さんの都合で動くんです、ですがこれに関してはノープロブレム、荷主やお客さんが時間通りにお仕事できるようにドライバーは頑張るんです!

ここで私が問題だと思うのは、ドライバーって特別な法律が設けられているんですよ、労働時間のルールがあるんですけど、拘束時間は1日原則13時間までならOK!最大で16時間以内(15時間超は一週間に2回までなら許すよ)で、1か月の拘束時間は293時間までね!というルール。他にも運転時間、休息時間などルールは設けられているんですけど、運転手にはこの拘束時間が認められているんです。法定労働時間ってありますよね?「1日8時間、週40時間」それと比べてどうですか?まぁ、通常の労働基準法を適用すると運送業として仕事にならないんですよ実際に。

ただ、このルールを適用しているなら賃金はもっと多くて良いと思う。一部ですけどさらに36協定まで締結している会社まであるし。「36協定は簡単に言うと長時間労働してね?はい、良いですよ!と会社と従業員が合意すること。」国家ぐるみで長時間労働を容認しているんです、それじゃぁ誰も運転手をやろうとしません、貴方はやりますか?って話です。

労働時間については、運転手をしている者ならある程度の長時間労働は容認しているはずです、ですがそれに見合った給料が今は入ってこない。書きながら思い出しました、一時ですが、都内のファミリーレストランで働くアルバイトの高校生より時給換算で安かったのを思い出しました。人が入ってこなくて当たり前です。

賃金の改善:言わずもがなです。

賃金の改善には収益構造を変える必要があるんですけど、荷主に理解を求める必要があるって何処かで見ました。個人的にはその意見に賛成ですけど正直なかなか難しいと思います。

3PL、ジャストインタイム、サプライチェーンとか荷主さんの効率的な物流活動など色々な角度から見れると思いますが、私からは運転手目線で書きます。まず運転手さんは、自分が何を運んでいるのか理解していますか?ってこと。その荷物は何に使うのか?どれだけ大切なものなのか理解してますか? これ、理解していないドライバーが多いです。

荷主企業は自分たちが制作、生産した商品に誇りを持っているでしょうし、汗水垂らして必死になって作った大事な商品です、それを完全な状態でお客さんに届けて使って貰いたいんです。その大事な商品をプロである我々ドライバーが届けるのに何も把握していない。教育もされてないから扱いは雑になるし、運転マナーもモラルも悪い。いい加減に積み込んでいい加減に降ろす、足で蹴とばし手で放り投げる、荷崩れしようが破損しようが関係ない乱暴な運転はするし、どうしようもない。(積み荷を把握できなくても、大切なお客さんの荷物を運ばせてもらっていると思えば雑な扱いはしないし乱暴な運転もしない。)

私が荷主側ならこんな運転手のいる会社の運賃を上げようとは思わない。逆に担当会社の変更を要求します。荷主さんが一番に求めるものって「商品の丁寧な扱い」なんだと思っています、次にマナーやモラル&時間厳守。丁寧な扱いができるドライバーは、運転もマナーもモラルも優秀です。運送業はサービス業です、お客さんにサービスを提供するのです、お客さんを不快にしてどうするのですか?

運転手は会社の顔であり、荷主の顔でもあるんです。ドライバーはみんなの代表としてお客さんのところに荷物を届けるんです、運転だけのドライバーは要りません。マナーとモラルはしっかり持って仕事をしましょう。荷主やお客さんから「君なら任せられる」と言われたいと思いませんか?その延長線上に運賃交渉の土台が作れるのではないでしょうか?と、自分勝手に書いています。

その他、共同配送とか無人配達とかコスト削減、生産性向上を目標に色んな対策をされているらしいですが、根本的に規制緩和の撤廃又は縮小、最低ラインの運賃の確保等、運送業に関わる全ての人のお給料が上がらない限り人は増えないと思います。

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