交通事故は会社にとって最大のリスク

交通事故は会社にとって最大のリスク

トラックドライバーはほぼ毎日運転をします、運転をしていれば当然事故は付き物です。

だからといって事故を起こすことはしないでしょう、割込み運転をしようとして入れなくて、そのことが頭にきたらしく故意にトラックをぶつけてきた低能ドライバーもいますがね。

自分の車だったらそのような行動をするのでしょうか?しないでしょう、会社の財産であり自分の財産じゃないから平気でそういう行動が出来るんです、理解しがたい人も実際にいるのです。


交通事故は運送会社にとって切っても切れない縁です、自分に過失がある場合も含め貰い事故だってあります。

事故は様々な人達、多方面にご迷惑をお掛けします、また悲しみや憎しみを生み出し、笑っている人は誰もいないでしょう。

さらに民事処分、行政処分、刑事処分と罰が与えられ、双方に身体的被害もこうむります。加害者には損害賠償という形での重責を課せられ、被害者は精神的身体的な被害を受けます。

誰も得はしません、それなのにトラックの事故は毎日のようにあります。

何故でしょうか?

長年運転している人でも事故を起こさない人がいます、逆に年に何回も事故を起こす人もいます、この違いってなんでしょうか?

私は仕事に対する意識の違いだと思います。

仕事に対して真剣に向き合っている人は、お酒の量や睡眠時間も管理するでしょうし、漠然運転にならないよう何か方法を模索しているでしょう、事故を起こしたら多方面に迷惑が掛かってしまう恐れと、社会的責任を負わなければいけない。

その事がちゃんと理解できているのだと思います。

仕事に真剣に向き合っていない人は当然真逆です、「すいません、事故を起こしました」と、一時的に反省だけして改善はしません。だからまた事故を起こします。

このような人達はペナルティなんて大して効果は無いんです、事故を起こしても会社が処理をし守ってくれるから。

会社の財産であるトラックが傷つき、修理をしてもその代金は会社が払う、相手に対しての損害賠償も会社の保険で支払う、謝罪に行くのも会社の代表や上の人達。

当の本人は無事故手当が消え、始末書を書くだけ。しばらく乗務停止をする会社もありますし悪質な事故については解雇もされるでしょうが、それだけ。解雇されても次の運送会社に転職するだけです。

会社には使用者責任がありますから会社が対応するのは当たり前ですし、被害者側にとっては、資金力の低い個人よりも法人であれば救われることも多いのが実情でしょう。

ただし、使用者責任があるからと言って、加害者本人に何もないわけではありません。求償権がありますからいくらかの負担はあるでしょう。が、僅少となることが多いんですね。

だからドライバー本人に直接莫大な損害賠償がされない、事故を起こしても自分の懐は痛まない。そんな感じ。

ですが酷い会社になるとトラックの修理代は全額自己負担とか、折半で自己負担とかさせられますけどね、違法なんですけど慣習なんでしょうか、普通にあります。

今はどうかわかりませんが、昔の食品配送なんかは全額自己負担でしたから。

私の実例としては、配送中にキーを付けたままロックして納品してしまい、運転席に入るのに窓ガラスを割り修理代全額自己負担。わざとでは無いのですが、台車から食材が落ちてしまい納品できない状態になってしまい全額自己負担。酷い事例ですと、同僚が対向車を避けようとトラックを道路脇の田んぼに突っ込ませてしまい、修理代200万円払えと会社から請求されたり。

あと、ある運送会社では連帯責任と言うことで共済金を天引きされていました。商品の破損があると高額になるので皆で協力していこうという趣旨だったのですが、まぁ、毎回赤字でした。改善されなかったからなんですけれども。

とまぁ、色々あります。

他の人達も違った内容で自己負担させられたことがあるのではないでしょうか?

ある大手運送会社にいた時は始末書だけでしたが、運送会社によって色々だと思います。

求人に、車両の破損や商品の破損に対して免責の負担はありませんと書いてある運送会社もあるくらいですから。


私がトラックドライバーになった時に教えられたことは、「事故を起こしたらこの業界から去れ」です。

プロのドライバーは、ワッパを握っておまんまを食わせて貰っているんだ、人身事故なんて絶対にしてはいけない。ワッパを握る資格無し!と教えられました。(ワッパとはハンドルの事です)

プロドライバーなら事故の怖さは十分理解しているはずです、このくらいの気持ちを持って運転業務に就いて欲しいと願っています。

アルバイトや派遣でも一緒です、雇用形態が違うだけでトラックを運転してお金を稼ぐプロです、そこに差はありません。

以前いた会社内の掲示板に、「会社を出発したら、何事もなく無事に帰って来るのが皆さんの仕事です」と書いた事があります。仕事は楽しむことが一番ですが、この意識を常に持って仕事をしてくれたら事故も減っていくのではないでしょうか?

皆さんは事故に対してどのような意識を持たれているのでしょうか?

ではでは。

私がこの記事を書いたよ!

てるてる坊主

運送業に31年間勤めていました。運転した車はハイエースからセミトレーラー。個人宅配からルート配送、北海道から九州までの中長距離配送、そして運行管理者としてドライバー育成やマネジメント。得意な事は出禁になったドライバーの後釜、失った信頼の回復などでしょうか?「貴方が来てくれて良かった」「貴方に来て欲しい」そんな言葉を言われて来ています。そういうことを複数社で長年やってきたものですから。このブログはコンサル的なことも取り入れ、自分が携わって来た経験などから、ブログを書いています。拙い文章かもしれませんが、読んだ人が一つでも役に立ったと思ってくれたら嬉しく思います。

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