
このお題は、日本郵便株式会社の点呼を適正にしていなかった事について、国土交通省から出しているメールマガジン「事業用自動車安全通信」というメールからの引用なのですが、日本郵便は一部事業取消しになってしまいましたね。
これを対岸の火事ととらえるか?他山の石ととらえるか?で、だいぶ他社は今後の事業の展開に響いてくるのではないかと思います。
この一件は全国ニュースにもなってしまったので、これを読んでいる皆様も十分認知していると思います。
大手の運送会社が点呼を適正に実施していなかったとなれば、小さな運送会社はどうなの?って話にもなるのですが、、、まぁ、正直良く分かりませんけれども、適正にしていない運送会社さんが多いのかな~?と感じています。
感じているだけで、実際にきちんと点呼をしている運送会社さんは沢山あると思いますが、世間的には心証が悪くなってしまったのかな?と感じています。
「大手運送会社の日本郵便が不適正な点呼で事業取消?」
「えっ?じゃぁ、中小企業なんてどうなの?」って思いますから。
点呼については残念ながらやっていない運送会社もあると推測します。
事実、この令和の時代に点呼を全員未実施の運送会社に短期間ですが所属していたことがありましたから。
たぶん「嘘だろ?」「信じられない」と思う人がいると思いますが本当の話です。
正直点呼なんて「慣れ」なんですよ。会社がしっかりルールを守ってやっていれば自ずとドライバーはやるんです。
会社が点呼を軽視しているからドライバーも軽視するんです。
自分なんて、何度も何度も点呼をしましょうと言ったって一度もやる雰囲気が無かったですからね。
小さな運送会社の決定権は、社長や社長の家族(役員)だけなんですよ、家族経営が多い中小運送会社は、外部から人を入れずに、人の意見を聞かずに独断と偏見で動くから、たとえ間違っていても指摘されない為、違法な行為が長年と続くのです。
「自分たちのやり方は正しい」「問題は無いよ」と。
中にはコンサルを入れて会社の改善をされている所もあると思いますけれど、少数なのですかね?今はどちらかというと、M&Aが活発みたいですから、そちらに目が行っているのかな?と感じます。

点呼をしていないと言うことは、会社を守る、社員を守る意識が薄いのだろうと思いますよ。
いつ、どこから監査が入って来るのか分からないのに、点呼を全員やっていないだけで30日間の事業停止になるわけですから。
そうなるとどうなりますか?
そうならない様に、点呼はしっかりやっていた方が良いと思います。
どうすればよいかわからないという人もいるのかな?と思いますが、行動経済学のナッジ理論というのを見聞すると良いかなと思います。
ナッジ理論は行動を強制させないで、きっかけを与えたり、後ろからそっと後押ししてあげて、行動を変化させていくことですね。
ルール違反をしている行動を、ルールを守る行動にそっと後押しして、望む行動に変えてあげる手法でしょうか。
詳しくナッジ理論を理解しているわけでは無いのですが、例えば点呼をこれからドライバーにして貰うために、会社に来たら、目の前に点呼場があって、自然とアルコールチェックをするような環境にしておくとか。
しないとその先にあるトラックのカギと今日の伝票が取れない形にするとか。
または、現在点呼をしていない会社で、これから点呼を確実に実施するために「点呼をしなかった者は、毎日社長と面談を致します」と、仕事が終わっても早く帰れないぞ!という損失を分かりやすくドライバーに伝達するのも良いと思います。
その人の行動を良い方向に変えていくわけですから、最初は「面倒くせぇ」というでしょうが、一か月もやっていれば自然と当たり前の行動に変わっていくと思います。
毎日の行動が変化していけば、変化した行動が毎日の行動に変わりますから、ゆっくりと時間をかけて着実に実行できるようになれば良いと思います。
ナッジ理論の例として分かりやすいのは、スーパーのレジ前に並び位置として張られた足跡のステッカーなんかそうです、「ここでお待ちください」と書かれたステッカーの下に、皆自然と並んでますよね。
ネットで調べたらいろいろな事例が出て来ると思います。
別件ですが、キャビン内がゴミだらけのかたずけない人がいたなら、そのトラックにごみ箱を設置し、そこにゴミを入れて貰い会社に戻ったら、会社内に設置した大きなゴミ箱に自分が出したごみを入れて貰うようにするとか。出来ない人に専用車は与えませんとか如何でしょう?
いろいろなアイデアが出来そうですから、自社に合ったアイデアがあると思います。
輸送の安全確保は、自動車運送事業者の最大の使命であると皆様も分かり切っていると思います。
安全確保の要である点呼をしていないことは、法令順守の意識の欠落です。
会社を存続していくために必要不可欠な点呼の実施は、重要な業務の一環ですから、やるようにしてください。私が勤めていた運送会社にも言いたい事です。(もう点呼実施しているのかな?)してたら嬉しいです。
点呼を実施する運行管理者について
運行管理者は必置資格であり、運送会社にとって絶対必要不可欠な存在です。
先日運行管理者の求人を見ましたら、全体的に安いですね、給料。(貨物、旅客両方とも)
私だけが感じたのかも知れませんが、もう少し上げても良いのではないかと思いました。
私の勝手な気持ちですのであしからず、ではでは。
私がこの記事を書いたよ!
てるてる坊主
運送業に31年間勤めていました。運転した車はハイエースからセミトレーラー。個人宅配からルート配送、北海道から九州までの中長距離配送、そして運行管理者としてドライバー育成やマネジメント。 得意な事は出禁になったドライバーの後釜、失った信頼の回復などでしょうか?「貴方が来てくれて良かった」「貴方に来て欲しい」そんな言葉を言われて来ています。そういうことを複数社で長年やってきたものですから。 このブログはコンサル的なことも取り入れ、自分が携わって来た経験などから、ブログを書いています。拙い文章かもしれませんが、読んだ人が一つでも役に立ったと思ってくれたら嬉しく思います。
コメントを書く