- 5月 11, 2024

ここ最近、トラックの事故のニュースが多いなぁと感じてます。
まぁ、昔から事故は毎日あるのですけれど。
最近トラックドライバーの煽りや恫喝行為でSNSにさらされ、ホームページもダウンし苦情や非難が殺到してしまった運送会社がありました。
最近の車はドライブレコーダーが付いているのが当たり前ですし、ちょっと何かあると直ぐに動画を投稿されて拡散もされてしまいます。
これらはレピュテーションリスクと言いまして、会社に対してネガティブな噂や評判が社会全体に拡散されてしまい、会社の信用失墜、会社の社会的価値が失われてしまうことです。
たった一人の社員の行動が、会社の社会的信用を落とし、経営にも大打撃を与えてしまうとてつもないリスクです。
インターネットが発達してSNSや口コミサイトなど誰もが自由に見られて、誰もが自由に書き込み出来る今の社会では、会社の良い評判も悪い評判も簡単に社会の表面に出て来てしまいます。
そして一度表面に出て来てしまったら、拡散され二度と消すことが出来ないデジタルタトゥーとなってしまいます。
会社の経営に対しての影響はかなりあるでしょうね、既存顧客や取引先、ステークスホルダーなどが会社から離れていくでしょうから。また売り上げの低下、信用の低下、会社のイメージ悪化による求職者の低下、社員の離職増加、そしてサービスの提供ができなくなってしまうことが考えられます。
たった一人が起こしたトラブルがこういう重大な結果になってしまうのです。
他の運送会社の経営者ももしかしたら戦々恐々としている人がいるかも知れませんね。
それはすべて社長の責任です。

ほんと、こうなると企業の存続さえも危ぶまれるわけなので、レピュテーションリスクは非常に大事なリスクとなるわけです。
リスクにはレピュテーションリスクの他にもまだありますよね、コンプライアンス違反や情報漏洩、人手不足による倒産や後継者不足。
メンタルヘルスもそうですし、気候変動のリスクだってあります。
だからリスクに対してのマネジメントは大事なんですよ~とお題で書かせて頂いたわけでございます。
リスクに対して、個人的には5つのリスク対策があると思っています。
一つ目は、リスクの回避(負ってはいけないリスク)
リスクを発生させてはいけない、リスクを生じさせる原因を作らない、絶対にとってはいけないリスクがこれです。例えば、運行管理者および整備管理者を選任していない、点呼全員未実施、名義貸しなど一発で事業停止になってしまうような違反をするとか。会社が倒産させないようにしないといけませんよね。
二つ目は、リスクの軽減(負っても良いリスク)
リスクが発生した時にそのリスクを最小にすることです。失敗してもリカバリーできるリスクですね、事業活動に影響の無いようにするものです。例えば、事故を起こした時にしっかり救護活動をし、警察や消防に連絡をする。トラックドライバーのひき逃げ事故もちょくちょくニュースになりますけど、絶対逃げない事。これによってドライバーの免許は取消しになりますし、会社にも捜査が入るでしょう。小さな事故が大きなリスクに変わってしまいますから。他には、トラックが故障した時にすぐに代替のトラックを手配できるようにしておくとかですね。
三つ目は、リスクの移転(負ってもらうリスク)
リスクが起きてしまった時にそのリスクを別の第三者に受け持って貰うことです。例えば、自動車の損害保険が一番わかりやすいでしょうか?相手への損害賠償金を代わりに支払ってもらう事が移転になります。
四つ目は、リスクの容認(負うべきリスク)
リスクがあってもそのリスクを受け入れることですね。事業の発展や継続をさせるために設備投資をして行くなど、車両を増やしたり事業所を新設したりとか会社が大きくなるためには、(お金を使うので借金するリスクがあります)負うべきリスクではないでしょうか?また、軽微なリスクや会社にとって影響の少ないリスクは受容しても問題無いため、リスクを容認することもあります。
五つ目は何もしないリスク(リスクを負わないリスク)
何もしない、本当に何もしない、チャンスがあってもやらない。目の前のチャンスをスルーしたり、市場環境が変わっているのに今のやり方を変えようとしない。今まで当社はこうしてきて何も問題は無かったからと、過去にしがみつき顧客の変化に対応できずになってしまい顧客を失ったり。現状維持バイアスが入っていると厄介ですね。
事業活動で「知らない、分かっていない事が一番怖いのではないでしょうか?
危ないぞ!危ないんじゃないか?と知っていれば、対応策や予防策が張れるため大きなリスクにならないはずです。
リスクを知ることでリスクを回避しやすくなりますからリスクマネジメントはとっても大事って事なんです。
とまぁ色々書きましたが、最初に書いたレピュテーションリスクは、今の時代絶対に回避しなければいけないリスクです。
なぜなら会社ってイメージがとっても大事なんですよ、会社のイメージを良くすることで社会や顧客、取引先などから信用され「使いたい企業」「選ばれる企業」にもなるんですよね、それって利益増大にも関わるんです。さらには人材不足の運送業でイメージの良い運送会社には人が集まる。優秀な人材が採用できる可能性が高い訳です。
それなのに社員の行動一つで大きなリスクを抱えてしまうわけです。
レピュテーションリスクについてのデメリットと対策法を近いうちに書きたいと思います。
トラックドライバーの飲酒運転や煽り運転、特に大きな事故などは会社のイメージを失墜させてしまいます。上記の利益を得るためにはドライバーのプロ意識向上が不可欠です。
ですが、トラックドライバーのイメージってあまり良くなってませんよね、昔に比べると良くなっているなと感じていますが、世間の評判はお寒いです。

プロ意識を向上させるための教育が必要だと思いますよ、特に小さな運送会社は。
その点について次回はちょっと私が実践してきたことを書いてみようと思います。誰にでもできるので、やって見て損は無いと思います。やって駄目ならやめれば良いだけですから。
ではでは。
私がこの記事を書いたよ!
てるてる坊主
運送業に31年間勤めていました。運転した車はハイエースからセミトレーラー。個人宅配からルート配送、北海道から九州までの中長距離配送、そして運行管理者としてドライバー育成やマネジメント。 得意な事は出禁になったドライバーの後釜、失った信頼の回復などでしょうか?「貴方が来てくれて良かった」「貴方に来て欲しい」そんな言葉を言われて来ています。そういうことを複数社で長年やってきたものですから。 このブログはコンサル的なことも取り入れ、自分が携わって来た経験などから、ブログを書いています。拙い文章かもしれませんが、読んだ人が一つでも役に立ったと思ってくれたら嬉しく思います。
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